「名義変更」の誤解
「息子に土地の名義を変えたいんだけど」とか「私の名義になっている建物を会社名義にしたい」というような相談があった場合、「名義」について誤解しているなあと感じる時があります。
この場合の「名義」というのは、登記簿上の登記名義人を指しており、それについては間違っていないのですが、その「変更」をしたいとなったとき、何か「名義」について誤解してるなと思うわけです。
登記簿の甲区に記載されている「登記名義人」というのは、その不動産の「所有者」であり、その不動産を自由に使用・収益・処分できる権利(所有権)を持っています。
「名義を変える」ということはこの「所有者」を変える、すなわち不動産を自由に使用・収益・処分することができる人を変える、ということなのですが、そうではなくただ単に登記簿上の名義を変えるだけ、と考えている人がいます。
「不動産は財産である」という考えが抜け落ちちゃってるんですね。
財産だから、その所有権を移すということは、何かしらの原因が必要です。「売買」とか「贈与」とかですね。その他にも「交換」「共有物分割」「放棄」「財産分与」等様々な原因があって所有権が移転するわけです。
しかし、ただ名義を変えたいと思っている方の中には、そういう原因を一切考慮せず名義を変えようとしていて、こちらから「そんな簡単には名義は変更できませんよ」というと「えっ!」と驚く方もまれにいらっしゃいます。
身内や自分の会社に移すだけだから、余分な手続きは必要ない、ただ名義だけ変えてくれればいいんだ、と思ってるんですね。
このただ名義を変更したいという行為は、法律的には「贈与」が最も近い行為になるのですが、不動産は財産ですから当然もらう側には贈与税がかかってきます。
土地や建物を贈与する場合は、結構簡単に100万円以上の贈与税がかかってしまいます。そう伝えると「やっぱり今回はいいや」となってしまうケースが多いです。
もちろん、そういう依頼者には名義を変更したい理由があるわけですから、どうしても今名義を変更したい、今のうちに変更しておかなくてはいけない、という場合もあります。
そんな場合は、依頼者の名義を変える理由や必要性をしっかり聞き取るよう心掛けています。
そして、名義を変えるのであれば、どのような手続きで所有権を移転するのか、また贈与税やその他の税金(例えば売買なら不動産取得税や譲渡所得税)などを考慮し、依頼者に不利益を生じさせないように解決に導きます。
また、今すぐに名義を変更する必要がない場合は、その旨をしっかり説明し、将来的にいつ変更するのがベストなのかを検討いたします。

名義を変更したいという相談は、いわゆる相続対策による生前贈与を検討している場合が多いと思いますが、そんな場合まずは当職までお気軽にお問い合わせください。
皆様にとって一番良い結果になるよう取り組みます!


