JAZZってオシャレ?
「私、JAZZ聞いてまして」なんて言うと「へ~オシャレですね」っていう返事が返ってくるときがあるのだが、私はJAZZがオシャレだとあんまり思ったことがない。
普段あまりJAZZを聴かない人が、JAZZにどんなイメージを持っているのかよく分からないが、ジャズバーやラウンジかなんかで、いわゆる「カクテルピアノ」と呼ばれるおしゃれなジャズピアノが流れている印象があるのかもしれない。オスカー・ピーターソンやレッド・ガーランドなんかのイメージかな。
もちろんそういうJAZZも良いのだが、それはJAZZの一面だけであって、私は、JAZZはカッコ良くて、パワフルで、アナーキーでエネルギッシュなものだと思っている。
そもそも私が大学のJAZZ研にいた30年前なんて、私を含めオシャレな奴など全くいないJAZZオタクの集まりであって、タバコの煙と酒が散乱している部室でアルバート・アイラ―やファラオ・サンダースなんか聴きながら「あのJAZZがカッコ良いだ」の「あんなものはJAZZじゃねぇ」なんつって話をしていたのである。
オシャレの雰囲気なんかどこにもなかったね。
JAZZの良いところは、そういうオシャレな感じのものも、フリージャズ的なグロテスクなものも全部ひっくるめてカッコ良いもんであって、JAZZを聴いてるからと言ってオシャレと思われるのはどうにも違う気がしている。「渋い」というのもちょっと違うかな。
YouTubeなんかによくあがっている「スムーズJAZZ」とか「くつろぎJAZZ」とかいうのもちょっとよく分かんないな。そもそもBGMとしてJAZZを聴いてないしね。
ミュージシャンが「どんなアイデアで演奏するんだろう」とか「なんてカッコ良いフレーズなんだ」とか「すげぇ盛り上がった演奏だった」とかそういう熱いものを聴きたいんだな。
私は頭でっかちな音楽の聴き方をする方で、高校生のときにJAZZを聴き始めようと思ったときに、まず本から入った。それで一番最初に買った書籍が、四谷いーぐるのマスター・後藤雅洋さんの書いた「ジャズ・オブ・パラダイス」という本なのである。JAZZの面白さなどを凄い熱量で書かれていたこの書籍に、303枚のアルバムの紹介がされていて、私はここからCDを買っていった。
聴き始めた当初は、耳心地の良い、というかある程度メロディ、リズム、コードがわかりやすい「ロリンズのサキソフォン・コロッサス」「ブレイキーのバードランドの夜」「マイルスのリラクシン」「モブレーのソウルステーション」なんかのハードバップの名盤が好きで、当時は分かりにくいと思っていたフリージャズっぽい感じのサウンドは苦手だった。けれども、後藤さんの言われるままに!?他のミュージシャンのアルバムも我慢して!?せっせと買って聴いていた大学浪人時代のある時、オーネット・コールマンの「ダンシング・イン・ユア・ヘッド」とエリック・ドルフィーの「アウト・ゼア」の2枚を同時に買った日があって、これを家のステレオで聴いたとき、なんか2枚ともオシャレとはとても言い難いけど、すげぇカッコ良い!と思ったのを覚えている。
まあ、しかし正直アイラーやファラオ、オーネットなどは普段そんなに聴いてるわけではなく、私のJAZZの好みはオーソドックスなハードバップな4ビートのJAZZなんだが、それでもそこに至るまで色々聴いてきたと思っている。そして、様々なミュージシャンが私の心に触れるエモーショナルな演奏を聴かせてくれるのである。
まあ、自分が好きな音楽だけ聴いているのももちろん悪くないし、全然間違っていない。ただ、私はこういう経験を経て自分の音楽の幅がすごく広がった実感があるので、若い時にいろいろなJAZZを聴いた経験は良かったなぁと思っている。
今はあんまりチャレンジしなくなっちゃいましたけどね(^^;
このアルバム、3曲中、1曲目と2曲目が同じ曲の別バージョンで、3曲目がモロッコの民族音楽という素敵なラインナップ。カッコ良い!
このアルバムを含めオーネットの音に没頭しちゃうときがあるのよね。
ドルフィーはバスクラもいいけど、やっぱりアルト派です。
フレーズのほとんどが手癖なんじゃないかと思うけど、でもカッコ良いんだなぁ。あと、ロン・カーターのチェロ、なんかいいよね。
大学卒業後、浜松に戻ってきてからはめっきりJAZZの話をすることが少なくなりました。
JAZZの話に飢えてる方、興味のある方、ぜひ連絡ください。